■ 追伸 2005/02/15 コンスタントに公開している「世界芸術列伝」は、固有の感性により、芸術表現を行っているものである。 ポイントを絞り込むため、本文では触れなかったが、かの大発明家エジソンは、偉大な「白熱電球」を誕生させて、満足してしまったのではなかったのだった。
それを普及させるために、発電装置や発電所、それをオフィスや工場、家庭へと送り届ける配電システム、安全装置のブレーカーなどの、わたしたちの活動・生活の基盤(インフラ)となるもの
ことごとくの規格を創ったのだった。
そして、GEがそれらを実用化した。 世界最大への道は、こうして開かれていった。
その後、GEは、家庭用のトースター、電気レンジ、フード・ミキサー、さらには、電気掃除機、電気洗濯機、電気冷蔵庫、エアコンなどを開発、普及させていく。 また、無線技術を研究・発展させ、また、ブラウン管も実用化し、さらには、FM放送も誕生させた。
また、「世界から夜を消す装置」の2代目である、「蛍光灯」も創り出し(1935年)、普及させている。
ところで、20世紀の後半、その3代目とも言える装置 実現の道が、ここ日本で開かれたことを、覚えておられるだろうか? そう、中村修二・氏による「青色発光ダイオード」の発明だ。
光の3原色と言えば、赤、緑、そして青である。 今、あなたが、パソコン・ディスプレー上で目にしている、筆者が創ったCG作品を含めた、すべての色彩は、この3色の組み合わせで再現されているのだ。
そして、賢い方なら、すぐにピンと来るだろう。 このページの背景色には、「白色」が用いられていることに!
かなり前から、赤色と緑色の、強い光を発生させる発光ダイオードは、実用化されていた。 だが、「青」がなかったのだ。 中村氏の発明は、3つの光を組み合わにより、白熱電球や蛍光灯に比べて、遥かに熱エネルギー・ロスが少ない、「強く明るい白色光」の実現を、切り開いたのだ。 そして、蛍光灯に取って代わるものとしても、期待されたのだ。
さて、イノベーション(技術革新)とは、単なるひらめきや、即興的な思いつきだけでは、実現しえないことを、ご存知だろうか?
もし、たやすいものであるならば、居眠り中に観た夢などで、毎日、膨大な技術革新が、世界中で起きることになるが、実際には、そんなことにはなっていない。
イノベーションとは、体系的な作業なのである。 現代では、これを得意としているのが日本人で、熱心にそれを実行している。
この度、とても嬉しい話を、聞くところとなったので、お知らせしたい。
2004年12月、東北大学 金属材料研究所 川崎雅司・氏のグループが、これまで実用化されているものの、10分の1の消費電力、そして10分の1のコストで製造できる可能性のある、新型発光ダイオードの実験に、成功したというのだ。
これに到るまでには、8年の歳月と、なんと 1万回を超える実験が行われたというが、これからの更なる研究の積み重ねにより、「世界から夜を消す装置」の新世代が、やがては、わたしたちの身の回りに、自然体で溶け込むことになるだろう。