■ 画家レンピッカの洋書
20タイトル超があります。 レンピッカに関する本は、21世紀の今日においても、新刊が発行されています。 レンピッカ独特のカリスマ性には、美術ファンからの関心が、途絶えないということでもありましょう。
● "Tamara
De Lempicka (Pegasus) "は、カラー図版も豊富にあって、レンピッカ本の入門としても適しているように思われます。
■ 画家レンピッカの和書 日本で出版されたレンピッカの本は希少です。
● 『タッシェン・ニューベーシック・アート・シリーズ タマラ・ド・レンピツカ』は、美術書籍出版で有名なタッシェン社からでているもので、カラー図版も豊富です。
● 『肖像神話―迷宮の画家タマラ・ド・レンピッカ』(パルコ出版局)は、縦の長さが37センチもある大きな画集です。 総ページ数は203で、主要作品の多くが掲載されています(初版は1980年、当時の価格は6,800円)。
大きいことのほかに、この本の特に優れた点は、19ページに渡る、レンピッカ本人への魅力あるインタビュー、『鋼鉄の瞳をもつ女 タマラ・ド・レンピッカ』(取材・構成:石岡暎子)が収録されていることです。
代表的な作品たちについての、レンピッカ本人の言による貴重な解説です。 レンピッカの作品をわたしたちが鑑賞したときに、感じたり思い描いたりすることが、いかにその通りであったか、すなわち、レンピッカが、自分の感じたことをいかに素直に作品表現する力量があって、またその感じ方が現代においても共感性を持ちえていることが、これを読むことを通して分かります。
■ アール・デコの洋書 1880年から1910年にかけてのアール・ヌーヴォーの運動は、モノの大量生産ということへの反動として発生しましたが、その規模は、おおむね限定なものでした。
それに対して、1910年から1939年までのアール・デコは、量産ということが社会にもたらす恩恵を、積極的に享受しようとする姿勢が社会自身にあり、より大規模で大衆的に展開されました。 そのムーヴメントに関する創り手の解釈は、地域性、そして国の歴史によるところによって、さまざまではあったものの、世界的(グローバルな)範囲にまで波及したのでした。
また、40年超がながれた1980年代にアール・デコの美は、再評価されるところになりました。 そして、その時期に定着した美意識は、一例を挙げれば、アップル社のポータブル・プレーヤー
iPod(アイポッド) のデザインの中にも見いだせるように、時代が求める機能と一体となって、21世紀のこんにちもひとびとを魅了しているのです。
上記のリンクには、アール・デコの洋書、日本最大級の270タイトル超があります。 現代のプロダクトにおける美の源流を確認し、吸収することは、明日の成功の道へともつながることでしょう。
● なお、本文の追伸にて
ご紹介しました展覧会に際して出版された、次の4冊の洋書も入手可能です。 @
"Art
Deco 1910-1939 " A
"Essential
Art Deco " B
"Art
Deco Fashion " C
"Art
Deco Textiles "
■ アール・デコの和書
■ 「経済人」の終わり―全体主義はなぜ生まれたか 社会学者P・F・ドラッカーの処女作で、1939年に世に出た名著です。
自由を信条とし、消費による発展を模索する資本主義と、自由を奪い、消費をしないことで解決を図ろうとし、ひいては、アール・デコの流れに終止符を打った全体主義。
社会・経済の原理面について、70年近く前に本書の中で展開された、ドラッカーの的確な洞察は、のちのソビエト共産主義の崩壊や、1990年後半、ニューエコノミーがもたらすとされた景気循環との決別に、ひとびとがなぜ熱狂したのかなど、わたしたちが同時代的に経験したことがらにも、あらかじめ、答えを用意していたかのようにも、思えてくるほどです。
21世紀の最初の10年を生きる 多くのリーダーに、読破して頂きたい本であり、それによって後半を、より有意義に使って頂ければ、嬉しく思います。
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