画家
パブロ・ピカソ
2004年のことになりますが、東京・六本木ヒルズにある
森美術館へ、展覧会「モダンってなに?:アートの継続性と変化、1880年から現在まで」(2004/04-08開催)を観にいってきました。
世界の近代化に伴い形成されてきた精神とは、芸術家たちの創作活動に確かに反映し続けてきたことを明確に示した、大変すばらしいものでした。
ピエト・モンドリアン
(1872-1944)の目に心地よい抽象画 「コンポジッション」 1921
ジョージア・オキーフ
(1887-1986)の控えめながら強い命を輝かせる独特な絵画
アンディ・ウォーホル
(1928-1987)の半光沢で美しいオブジェ 「キャンベルの箱(トマト・ジュース)」
1964
など、現代美術の感動の名作たちが、一堂に会していました。 そして、この展覧会の中で、絵画芸術とは、純粋に
こういうものだとも言うかのような、ひときわ強い主張を放っていたのが、パブロ・ピカソ(1881-1973)の作品たちでした。
古代アフリカ彫刻をモチーフにしたもの、人体が抽象化されたもの...描かれる対象や表現手法は様々。 しかし、いずれの作品においても、画面の中での対象の形状と、置かれている色彩が、揺ぎない完璧なるバランスを持って、思念の光ともいうべきものを、放っていたのでした。
さて、ピカソは生涯に残した作品数が、実に膨大であることでも知られています。 画集のほうも幾多と出版されていますが、その中でも最高水準のものが、2000年に出版されました。 "The
Ultimate Picasso(究極のピカソ)"という画集です。
細心の努力によって美しく印刷された感動の作品たちと、制作のためのデッサンが、500ページ超に渡って、制作年代順に掲載されているものです。 7歳の頃に描いた闘牛士の絵から始まり、91歳のときの自画像まで、掲載図版の数は、大小合わせて1,100点を超えます。 「人間ピカソ」の成長していくさま、成熟していくさまが、ページを繰るにつれて、しんしんと伝わる画集です。
絵画とは制作された時代の意識や価値観の影響を受けるものですが、むしろそのことを積極的に活用したピカソの作品を、年代順に追って観ていくという行為はまた、20世紀最大の画家の息づかいと共に「20世紀の歴史」を、感じ取る行為でもあるように思われます。
ピカソの絵をすばらしいと思う方、好きだと感じる方であれば、ページをめくるごとに時間を忘れていき、虜ともなることでしょう。 ハードカバー(縦31×横30cm)と、ペーパーバックの2種類があります。
■ 画家
パブロ・ピカソの洋書 日本最大級の品揃え、ピカソの洋書800タイトル超があります。
■ 画家
パブロ・ピカソの和書 日本語で読める本は、60タイトル超があります。
■ 2017年
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