■ ギリシア彫刻の洋書 アルカイク時代 、
クラシック時代 、
ヘレニズム時代 、それぞれの時代ごとに焦点を絞ったもの、ギリシア彫刻全体を俯瞰したり、建築・絵画と併せたものなど、堂々の80タイトル超と、日本最大級のラインナップです。 じっくりと選んでみてください。
■ ギリシア彫刻の和書 若干のタイトルがあります。
● 20世紀のことになりますが、ギリシア美術の鑑賞を主な目的として、ヨーロッパを旅したことがあります。
なるほどギリシアへ行くと、アルカイク時代の彫刻を豊富に観ることができました。 ギリシア国内のミュージアムが、今日ほどには整備されていなかったせいでありましょう、どこかに物足りなさも抱きつつ、イタリアへと行きました。 そして、ヴァチカン・ミュージアムを訪れたときでした。 そこには、古代ギリシア精神を確かに発する、クラシック時代以降の、なんともすばらしい彫刻たちが、ひしめくようにして、幾多となく展示されていたのです。
とても感動しながら、鑑賞を楽しみました。 ローマ帝国の時代に、作られたものもありましたが、その時期にギリシアからイタリアへと集められたと思われる品もまた、しっかりとあったのです。
なお、アテネのパルテノン神殿の壁面を飾っていたクラシック時代の彫刻は、イギリス・ロンドンの大英博物館にありました。 また、ヘレニズム時代のミロのヴィーナスや、サモトラケのニケが、フランス・パリ、ルーヴル美術館にあること、これはとても有名なので、ご存知ですよね!
▼古代ギリシア美術の変遷▼
● ホメロス の叙事詩イーリアス、劇作家ソフォクレス やアイスキュロス の演劇、あるいは強烈な個性を放ち人間味あるギリシア神話 の神々や、プルタルコス が書いた英雄伝、ヘロドトス が旅して集め綴った歴史... 人間の本質へと迫ることで発展した古代ギリシアの芸術・文化には、たとえあなたがイタリア・ルネサンスの時代に生まれなかったとしても、接したならば感動し、また、ロマンや畏敬さえをも抱かれることでしょう。
そうした普遍的な価値を持つ文学や演劇、そして歴史書の味わいから会得した精神は、ある体験をしたときにまた、さらなる深い感慨がもたらされます。 それは、確固たる石に刻まれ、はるか長いときを越えた、ありし世界の「思念」を眼前で見るとき、つまり、古代のギリシアにて制作された彫刻作品を鑑賞するときに、いっそう具体的な感覚で迫ってくるのです。 「ああ、あの世界は、ほんとうにあったのだなぁ!」、かつて19世紀の考古学者シュリーマン が体験したかのような、感嘆と共に...
紀元前3000年の古来より、地中海ではエーゲ文明が発展していきました。 古代ギリシア文化というときそれは、エーゲ文明の流れを汲み、紀元前11世紀ころから、前1世紀ころまでの千年に渡って、ギリシアの本土や、南イタリアやエーゲ海周辺で展開された文化のことを指します。
それが生んだ美術については、大きく4つの時代に区分されています。
● 前1100年ころから前600年ころまでの、アンフォラ など壷に描かれた模様で知られる
「幾何学様式時代」
● 前600年ころから前480年ころまでで、古代エジプト彫刻に比べたならば動的ではあるものの、真正面を向く姿勢で刻まれ、顔の表情にかすかな微笑みを持つ
人間の石像で知られる 「アルカイク時代」
独特の微笑みは、アルカイク・スマイル/アルカイック・スマイルと呼ばれます。 彫像に人間味を持たせるための工夫でありましたが、ずっと後世、イタリア・ルネサンス時代の画家
レオナルド・ダ・ヴィンチ も、自身の作品「モナ・リザ」にて取り込んでいますね。
● 前480年ころから前323年ころまでの、厳粛な面持ちで、力強さを持つ彫像の「クラシック時代/古典時代」
最終的には勝利することになるペルシア戦争中に破壊された彫刻・建造物の
復興需要の中から生まれてきました。 柱はエンタシス(中ごろのふくらみ)を持ち、伝説の彫刻家フェイディアス の監督により、アテネ・アクロポリス の丘に建つ重厚な建築、パルテノン神殿 が造られたのも、この時代です。
● クラシック時代の終盤、マケドニア出身のアレクサンドロスの帝国により、北アフリカのエジプトを含む地中海諸国から、中東アシア、さらにはインド西部へも至る広大な範囲へと、ギリシア文化が広められましたが、そのことは同時に、ギリシア文化が東洋の文化とまじりあうことでもあり、各地において、ギリシア風(ヘラス風)文化として花開きました。 ダイナミックな動きを持つ彫刻、サモトラケのニケ や、ミロのヴィーナス が創られたのはこの時代です。 前323年ころから前31年ころまでで、「ヘレニズム時代 」と呼びます。
■ ルネサンスの本 ギリシア文明から遥かあとの15世紀から17世紀ごろにかけて、イタリアからはじまりヨーロッパで展開された文芸復古運動/知的革命、ルネサンス。 中世の封建社会が衰退し、代わりに都市国家による商業活動、文化活動が隆盛する時代にあたります。 ひとびとは、かつて人間性に重きが置かれた時代、すなわち古代ギリシアにおける文明・文化に、新しいうねりを生成していくための思想・精神の源泉を、求めたのでありました。 プラトンやアリストテレスについての本をはじめ、ルネサンス関連の本、1,000タイトル近くがあります。
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