■ 画家
エドワード・ホッパーの洋書 1882年、造船の町ナイアックで生まれ。 ニューヨ−クの学校で絵画を学び、1906年から渡仏。 印象派の影響を受けながら、パリの物憂い面影を吸収して帰国。
繁栄の中にありながら、どこか波に乗れないような都会の中の風景と、そこに暮らすひとたち、そして、忘れられているかの海岸地域の風景を好んで描きました。
静寂に包まれたそのシーン(!)は、これから何かが起きる予感もする反面、大したことは起きなさそうな感じもします。 彼独特の明確な色彩で具体性を与えられた画面の中で、取り扱っている主題のこの「あいまいさ」といったものが、返って観るひとのイマジネーションを、強く掻き立てます。
このごろ、ホッパーが好きだというひとのことを、耳にするようになりました。 この時代の意識が、どこかホッパーの芸術と合致するものを見出しているからなのでしょう。
上記のリンクには、画家ホッパーの洋書、100タイトル超があります。 ごゆっくりと、どうぞ。
■ 2018年版
エドワード・ホッパー・カレンダー
たとえフランスへ留学したとしても、フォーヴではなく、印象派をしっかりと把握してくるところなどは、流行だからといって、形式だけを取り入れたりしない、さらにそれどころか、自分の世界(観)というのは、もともと自分の昔から、身体とこころの中にあったものなのさというかのような、画家の作品からも見て取れる、たいへんにホッパーらしいところですね。
十分にドラマチックであってもいい場面を好んで選んでおきながらも、画面は静寂、また、明瞭な筋書きといったものは提示しないのが作風。 やはりこの特有の「あいまいさ」の絶妙なさじ加減こそが、ホッパー芸術の価値の高さ、つまり、画家は絵画を鑑賞する側のひとの存在を確かに認識していて、その無数のひとたちが、絵の前で、フウッと想像を膨らましていく、そして、いつの間にやら、なかなかの感情移入をしてしまっている、というようなことを、よく実現させているわけですね。 ここのところが、ホッパーの才能の、スゴイところです。
■ 画家
エドワード・ホッパーの和書 日本で出版された、ホッパーの本もあります。 しかし、ここのところは在庫切れの模様です。
■ 美術書出版
タッシェンの洋書 19世紀は、鉄道の発明や船舶の高性能化などにより、輸送にかかるコストが劇的に下がった世紀でした。 また、その恩恵により、経済のグローバリゼーションというものが、わたしたちが知っている20世紀後半に匹敵するほどまで、進行していた時代でもありました。
当時、質のよい製品をつくって、抜きん出て輸出に励んでいたのは、ドイツでした。
その輸出攻勢には、ひと足先に産業革命を成し遂げてたイギリスもたまりかね、1887年、製品には原産国を表示すべしという法律をつくったのでした。 まず状態を計測できるようにしておいてから、対策を考えようとしたのです。
他の国でも同様の法律が採用されていき、製造した品には、この時期より、いわゆる「メイド・イン・○○○」と、表示するようになったのでした(!)。
また、ドイツは、15世紀のグーテンベルクにはじまり、印刷術で先進の国でもあったので、美しいポストカードも、精力的に輸出し、この時代の世界的ヒット商品にもなりました。
美術の専門書で、よく知られている
タッシェンは、ドイツの出版社ですが、タッシェンの本に綴じられている絵の印刷が、質がよく美しいのには、こんな歴史的背景もあったのですね。
上記にリンクには、タッシェンの本、3,000タイトル超があります。
■ 美術書出版
タッシェンの和書 日本で出版されているタッシェンの本は、180タイトル超があります。
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